2021.10.11 第29回日本乳癌学会学術総会にて当院長が発表を行いました。

令和3年7月1日(金)〜7月3日(土)第29回日本乳癌学会学術総会において、「糖尿病性乳腺症から発生した乳がんの1例」について、当院長が学会発表を行いました。

 

第29回日本乳癌学会学術総会

「糖尿病性乳腺症から発生した乳がんの1例」

糖尿病性乳腺症は、1984年に初めてSoler NGらが報告した糖尿病に合併する良性疾患であり、組織学的には血管、導管、葉周囲のリンパ球浸潤による高密度の線維化を認める。マンモグラフィー、超音波検査、乳腺MRI検査でも乳がんとの鑑別が困難なことが多く、そのため最終診断は針生検や切開生検で確定することも多い。
また、乳がんとの合併報告も散見される。今回われわれは、切開生検で糖尿病性乳腺症の診断となったが、経過観察中に粘液がんを発症した症例を経験したので報告する。
症例、70歳代女性。糖尿病あり。X年2月に右乳房腫瘤で受診し、MMG検査で右境界不明瞭腫瘤(カテゴリー4)、超音波検査で右乳腺AC領域 1.5cm大、C領域に3.2cm大の腫瘍(カテゴリー4)を認め、MRI上も乳がん疑いで吸引組織検査、切開生検組織検査で糖尿病性乳腺症の診断だった。
経過観察中のX+1年2月にMMG検査で組織が腫瘤がより明瞭になっており、超音波検査で右乳腺AC領域、C領域の腫瘍はいずれも厚みを増し増大しており、またC領域にさらに1cm大の腫瘍を形成していた。吸引組織検査で粘液がん、luminalBタイプの診断で、右乳房切除術、腋窩リンパ節郭清を施行した。

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